境界知能・軽度知的障害学会は、境界領域知的機能あるいは軽度知的障害の方を対象とした、学術的研究、実践、支援および社会啓発を目的として設立された学術団体です。

 境界知能の人は、教育機関での支援を受けることなく過ごしたものの、青年期の就労や自立に向けて支援を要する人が少なからず存在します。軽度知的障害の方は、知的障害の大部分をしめるにもかかわらず、医療の研究・支援は中等度以上の知的障害が中心であり、かつ医療機関に定期的にアクセスしている人も少数ですが、年齢が上がるにつれて境界知能の人と同等以上の支援を要します。

 私自身、2020年ころまでは、医療の現場で活動しながら、この事実を見落としていましたが、当事者が出演された番組にコメントをするにあたり、困難さに直面している人の知的機能のサポートができていないことに気づかされました。以後、学生相談、相談支援事業、医学などさまざまな立場の方と講演を通じて情報交換を行うことで、理解や支援のシステムがなく、個々に苦慮されている実態が把握できました。

 このような「支援の狭間」にいる多くの人たちに焦点を当てて、精神医学、小児科学を中心に、心理、教育、保健、福祉、司法など多職種の人が集まって、それぞれ「点」で行っている、実態調査、実践、支援をつなぎ合わせて、社会に発信することを目指したいと考えます。

 まずは社会発信すべく、2026年12月に第一回の学術集会に向けて、準備をはじめました。多くの方の参加をお待ちしています。

世話人代表 青山学院大学、昭和医科大学 古荘純一